小泉首相の目指すものは? | Doronpaの独り言

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日本第一党党首 / 行動する保守運動代表
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2005年8月8日19:00過ぎ、衆議院が解散されました。
早速メディアでは『自爆解散』『郵政解散』など色々とネーミングされているようですが、今回の解散劇の本質は一体なんだったのでしょうか?

もちろん、郵政改革法案の否決が一番なのでしょうが、そもそも
郵政改革が国家の非常事態ともいえる『衆議院の解散』に打って出るほどの緊急課題なのかどうか?大変疑問に思います。郵政民営化と念仏のように唱え、民営化さえすればまるで構造改革が全部上手くいくようなことを小泉首相も国会答弁で述べていましたが、明らかに認識不足です。新聞メディアでの世論調査を見る限り、政府が取り組むべき問題では1.年金問題、2.景気・雇用、3.外交問題が国民の関心事の大半を占めており、どの世論調査でも郵政と答える人は一桁です。当然、郵政も我々の生活に密着した問題ではありますが、より一層身近で早急な解決を求められている課題が山積している状況なのに、何故ここまで郵政に拘るのか?という疑問を多くの人が感じているのではないでしょうか?

そもそも郵政改革とは何なのか?と考えてみると、一言で言えば『郵政民営化』に他なりません。郵便事業・郵貯・簡保・窓口を4つの民間事業に分割して運営しようというものです。
本来、郵政民営化とは郵政の中で赤字を出し続けてきた郵便事業を民営化し効率化を図ろうというものが主だったはずなのですが、現在では郵貯・簡保の350兆円といわれる莫大な貯金資産の運用を巡る綱引き合戦となっているようです。
今回の郵政法案では350兆円の国民の貯金資産の運用を新たに作る民営化会社の元、既存の民間企業に任せる形になっているようです。但し、ここで問題なのは、外資規制が無いため下手をすると350兆円の貯金資産が外資に食い潰されるのではないか?という懸念があることです。特にこの郵貯・簡保の民営化を言い出したのが、元々米国政府であるという事実があるのですが、この件についてマスメディアが殆ど報じないため、何故小泉首相が当初の郵便事業の民営化から軸足を郵貯・簡保の民営化に移し、その実現を急いでいるのか理解できない人も多いのではないでしょうか?金融のグローバル化が進んでいる以上、外資を完全にシャットアウトは出来ませんが、少なくともこれだけの巨額の資産の運用に関わるのであれば、当然部分的にでも外資規制は必要であると考えます。

そして、本来の問題であった郵便事業の民営化についてですが、これも非常におかしな話で、
民営化すると言いながら、全国一律のサービスを義務付けるという訳の分からないことになっています。国鉄分割で民営化されたJRでは不採算路線は次々廃止してきた訳ですが、これは利益の追求という民間企業としては当然の措置であり、そもそも民営化された郵便事業を全国一律でネットワークを維持し、サービスを提供するというのは無理があります。過疎地域1000戸にも満たない町や村の唯一の金融機関特定郵便局で、黒字を出せというほうが無理であり、元々公共サービスの一環として各地の特定郵便局は存在してきたはずです。黒字が出せるくらいなら、銀行など民間の金融機関がとっくに進出しているでしょう。民営化とはつまり利益の追求であり、当然の事ながら赤字局は廃止するのが道理だと考えます。しかし、それを無視して全国一律のサービスを義務付けるのなら、郵便事業民営化ではなく、郵便事業効率化法案として出すべきだったでしょう。そして、民営化される郵便事業に国家がサービスの義務付けをするなら、当然それに見合う代償措置が必要となり、結局固定資産税の免除など、今までと余り変わらない形態で郵便局が維持されると考えられます。

郵政法案全体として考えるとかなり問題がある法案であると言わざるを得なく、もう少し問題点を洗い直して反対派が反対できない形で法案の成立を図るべきだったと思いますが、既に否決された以上後の祭りです。郵政の民営化効率化は避けて通れない道筋であり、またその際の痛みを伴った改革も国民が何れは背負うものです。であればこそ、民営化で何がどう変わるのか?国民はどんな痛みを伴わなければならないのか?を丁寧に説明し、理解を求める事が必要だったのではないでしょうか?

今回の解散の本質を考えるに、郵政法案の中身ではなく、小泉首相と自民党執行部の法案の成立を巡る対応の稚拙さが招いた感情的対立の帰結であると思います。確かに郵政より早急に片付けるべき問題が多々あるのは事実であり、小泉首相はその優先順位の選択を誤ったと思います。しかし一旦政局の中心にこの法案が乗ってしまった以上、成立させるべく最大限の努力と配慮をするべきだったのでしょうが、結局これが小泉首相の良いところでもあり、悪いところでもあるのか、こういう結果を招いてしまいました。

この解散で、自民党が蒙る損失は計り知れないものがあり、本当に分裂選挙になれば、自民党がたとえ公明党ともう一度組んでも政権を維持することはかなり難しいかも知れません。さらに仮に政権の維持が可能であったとしても、間違いなく数を減らすであろう自民党政権にとって公明党の存在価値が今以上に上がり、公明党が力を入れている
『外国人参政権問題』『靖国問題』などで、より一層自民党は公明党に配慮せざるを得なくなるのではないかと思います。また個人的に、ジャスコ岡田引きいる民主党が政権を取るのは、現状では大変危険であると思います。中国・韓国への対応を見る限りにおいて、アジア外交の見直しとしてとんでもない方向に行くのではないか?と危惧するものです。そういう意味では、後世において日本の大転換点と言われるかも知れない衆議院の解散を、『郵政民営化法案』という決して国民の関心事とはいえない法案と引き換えにして良かったのか?とため息混じりに考えざるを得ないのです。



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